2011年4月10日日曜日

ネット上の著作権:facebook等のSNS,リンク,シェアと引用と

ネット上の著作権については,かなり変革を遂げています。

特に,フェイスブックのような,リンク・シェアの機能は,かなり特殊です。

facebookと著作権:youtube,引用でいくしかないか

で,かなり詳細に書きましたが,
ほとんどは,「引用」または「引用」概念の拡大で片がつくのではないかとおもいます。

従来の概念で捉えきれないものを,「フェアユース」という新しい概念を用いて主張される例もありますが,やはり,裁判所は,保守的です。

「引用」(著作権法32条1項)
(引用)
第三十二条  公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。

「引用」許容性判断基準
「他人の著作物を引用して利用することが許されるためには,引用して利用する方法や態様が公正な慣行に合致したものであり,かつ,引用の目的との関係で正当な範囲内,すなわち,社会通念に照らして合理的な範囲内のものであることが必要であり,著作権法の上記目的をも念頭に置くと,引用としての利用に当たるか否かの判断においては,他人の著作物を利用する側の利用の目的のほか,その方法や態様,利用される著作物の種類や性質,当該著作物の著作権者に及ぼす影響の有無・程度などが総合考慮されなければならない。」(知財高裁平成22年10月13日判決(平成22年(ネ)第10052号損害賠償
請求控訴事件))

この知財高裁平成22年10月13日判決では,「フェアユース」の主張をされましたが,結局,知財高裁は,その概念を取ることなく,上記の基準を打ち立てています。

事案からすると,
結構強引な引用概念ともおもえますが,逆にいうと,引用概念の拡大化傾向にあるといえます。
この知財高裁平成22年10月13日の判決の事案は,ネット上のものではありませんが,この規範が生きれば,ネット上においても,
 ネット上における「社会通念」が適用されることになります。

この基準の中で,特に,facebookで重要といえるのは,

「当該著作物の著作権者に及ぼす影響の有無・程度」

だろうとおもいます。

facebookの「いいね!」または「シェア」は,実は,外部リンクを増やすことになりますので,シェアされることは,シェア元にとってもアクセス数増加等のSEO的なメリットが生じます。

ネット上で公開した以上,シェアされる可能性があるということも,覚悟しなければならないともいえ,
それが,ネット上の「公正な慣行」ということもできます。


シェアにコメントを付している場合は,基本的に引用対象に対する「意見」となりますし,事実と意見とがfacebookでは場所的にも区別されて表示されます。
単に,コピペ,リンク元のURLというよりは,改ざんの可能性も少ないともいえます。

基本的にfacebookの慣行にしたがっている場合は,シェアそのものだけでは,著作権法上の問題は生じにくいのではないかと考えます。


参考リンク
http://utsuboiwa.blogspot.com/2010/10/blog-post_5738.html

知財高裁のまとめに載せました↓
http://chizaikousai.blogspot.com/2010/10/blog-post.html

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